独学で行政書士 通達~解答技術を身に付けよ~

こんにちは。
ようやく台風もおさまったという感じですね。これからは天気も安定し、紅葉の季節を
楽みましょうというところですね。

今日は、択一の問題の解き方についてまとめておこうと思います。
というのも、行政書士試験は3時間のうちに60問を解かなければならず、記述式3問や難問などは、
考えすぎるとかなり時間を使ってしまい、全ての問題に目を通すことができなくなるという事態に
なりかねません。そこで、問題の解き方は時間配分に大きく関わってくると思います。

空欄補充問題

では、ここで近年の出題形式の傾向を見て、解くコツなどをまとめたいと思います。
※行政書士試験研究センターから、行政書士試験問題掲載許諾を得ています。

 

問題 1  次の文章は、裁判員制度に関する最高裁判所判決の一節(一部を省略)である。
空欄 ア ~ エ に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

裁判は、証拠に基づいて事実を明らかにし、これに法を適用することによって、人
の権利義務を最終的に確定する国の作用であり、取り分け、刑事裁判は、人の生命す
ら奪うことのある強大な国権の行使である。そのため、多くの近代 国家におい
て、それぞれの歴史を通じて、刑事裁判権の行使が適切に行われるよう種々の原則が
確立されてきた。基本的人権の保障を重視した憲法では、特に 31 条から 39 条におい
て、・・・適正な刑事裁判を実現するための諸原則を定めており、そのほとんどは、
各国の刑事裁判の歴史を通じて確立されてきた普遍的な原理ともいうべきものであ
る。刑事裁判を行うに当たっては、これらの諸原則が厳格に遵守されなければなら
ず、それには高度の が要求される。憲法は、これらの諸原則を規定し、かつ、
の原則の下に、「第 6 章 司法」において、裁判官の職権行使の独立と身分保障
について周到な規定を設けている。こうした点を総合考慮すると、憲法は、刑事裁判
の基本的な担い手として裁判官を想定していると考えられる。
他方、歴史的、国際的な視点から見ると、欧米諸国においては、上記のような手続
の保障とともに、18 世紀から 20 世紀前半にかけて、 の発展に伴い、 が直
接司法に参加することにより裁判の 的基盤を強化し、その正統性を確保しよう
とする流れが広がり、憲法制定当時の 20 世紀半ばには、欧米の 国家の多くにお
いて陪審制か参審制が採用されていた。
(最大判平成 23 年 11 月 16 日刑集 65 巻 8 号 1285 頁)

ア       イ       ウ      エ
1     民主主義   法的専門性   三権分立    国民
2     立憲主義   政治性     法的安定性   法曹
3     自由主義   法的専門性   三権分立    国民
4     民主主義   政治性     法的安定性   法曹
5     立憲主義   法的専門性   三権分立    国民

まあこの形式は近年特有のものではなく、昔からあったと思いますが、この形式については、解き方次第でかかる時間が大きく変わってきます。またこの問題は、マイナーな判例を題材にし、普通の知識だけですぐ解かせない問題ということで、近年増えている印象です。
ただ、調べたところ、裁判員制度が合憲であることを判示した最近の判例なので、マイナーではないのかもしれませんが、行政書士のテキストには載っていないものですね。

 

まず、解き方の流れとしては、問題文を読んで、裁判員制度に関する最高裁判所判決の文章であると踏まえ、選択肢を読んで、どんなワードがあるのか把握し、そして選択肢を検討するという流れになると思います。

まず、裁判員制度に関するものであることを踏まえ、選択肢には民主主義とか三権分立という重要ワードがありますね。文章を読んでいくと、ア、イの空欄がありますが、この時点では全然わかりませんね。次のウで、三権分立かなとなりますが、ここで決めつけるのは早計です。というか、実はこの問題は後半5行だけですぐ解ける問題なんですね。
「ア の発展に伴い、 エ が直接司法に参加することにより」ということですが、直接司法に関わるのは昔から法曹なので、近代になって新たに参加するのは誰かとなると国民なのですね。そして、行政や立法に加え、司法にも国民が参加し、正統性を確保するというのは民主主義ですね。ここで、選択肢が1に確定します。
まあ、正解肢がわかったところで、他の語句を見てみると、法的専門性とかありますが、あまり馴染みがない文言ですね。よって、全ての語句がわからなくても、2つくらいわかれば解ける場合もあるということです。

最初でわからなくても、とりあえず飛ばして最後の方から検討するのもありです。むしろこの問題は出鼻をくじくための問題という感じで、最初の空欄は気にせず最後までざっと目を通せばすぐ解けるんです。空欄補充問題は慣れもいると思いますし、法令科目だけでなく、文章理解でも出てくるので対策はしたいですね。

 

 長文問題

近年は問題の長文化が進んでいるわけで、時間的な制約が厳しい行政書士試験では、どうこなして
いくかが重要ですね。これも平成28年度です。
※行政書士試験研究センターから、行政書士試験問題掲載許諾を得ています。

問題 9  行政裁量に関する最高裁判所の判例について、次の記述のうち、誤っているもの
はどれか。なお、制度は、判決当時のものである。

1  外国人が在留期間中に日本で行った政治活動のなかに、わが国の出入国管理政策
に対する非難行動あるいはわが国の基本的な外交政策を非難し日米間の友好関係に
影響を及ぼすおそれがないとはいえないものが含まれていたとしても、それらは憲
法の保障が及ぶ政治活動であり、このような活動の内容を慎重に吟味することな
く、在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるものとはいえないと
判断した法務大臣の判断は、考慮すべき事項を考慮しておらず、その結果、社会観
念上著しく妥当を欠く処分をしたものであり、裁量権の範囲を越える違法なものと
なる。
2  学生が信仰上の理由によりした剣道実技の履修拒否について、正当な理由のない
履修拒否と区別することなく、代替措置が不可能というわけでもないのに、代替措
置について何ら検討することもなく原級留置処分をし、さらに、退学処分をした公
立高等専門学校の校長の措置は、考慮すべき事項を考慮しておらず、又は考慮され
た事実に対する評価が明白に合理性を欠き、その結果、社会観念上著しく妥当を欠
く処分をしたものであり、原級留置処分と退学処分は裁量権の範囲を越える違法な
ものとなる。
3  個人タクシー事業の免許に当たり、多数の申請人のうちから少数特定の者を具体
的個別的事実関係に基づき選択してその免許申請の許否を決しようとするときに
は、道路運送法の規定の趣旨に沿う具体的審査基準を設定してこれを公正かつ合理
的に適用すべきであり、この基準の内容が高度の認定を要するものである等の場合
は、基準の適用上必要とされる事項について聴聞その他適切な方法により申請人に
対しその主張と証拠提出の機会を与えるべきであって、これに反する審査手続によ
り免許申請を却下したときは、公正な手続によって免許申請の許否につき判定を受
けるべき申請人の法的利益を侵害したものとして、当該却下処分は違法となる。
4  原子炉施設の安全性に関する処分行政庁の判断の適否が争われる原子炉設置許可
処分の取消訴訟における裁判所の審理・判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全
専門審査会の専門技術的な調査審議及び判断を基にしてされた処分行政庁の判断に
不合理な点があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水
準に照らし、調査審議において用いられた具体的審査基準に不合理な点があり、あ
るいは当該原子炉施設がその具体的審査基準に適合するとした原子力委員会若しく
は原子炉安全専門審査会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤・欠落があ
り、行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、処分行政庁の判
断に不合理な点があるものとして、その判断に基づく原子炉設置許可処分は違法と
なると解すべきである。
5  裁判所が懲戒権者の裁量権の行使としてされた公務員に対する懲戒処分の適否を
審査するに当たっては、懲戒権者と同一の立場に立って懲戒処分をすべきであった
かどうか又はいかなる処分を選択すべきであったかについて判断し、その結果と処
分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、それが社会観念上著しく妥当を
欠き裁量権を濫用したと認められる場合に限り、違法と判断すべきものである。

 

1つの選択肢が長いですねえ。しかも、誤っているものを選べという指示にも注意です。

まず、長文問題の解き方は、肢の冒頭を読んですぐ結論の部分を見る。そこで、だいたいの判断はできます。ただ、理由付けの部分が間違っている場合もあるので、結論だけで判断できなかったときには、文章全部を読むことですね。あと、基本的には、判例問題は結論か理由付けの部分に間違いがあるだけなので、単語1つだけが誤りとかはあんまりないと思います。そのため、細部に気にせず、最初はおおまかな部分(冒頭&最後)で判断していくという姿勢をとればいいです。

1なら、最初を見てすぐにマクリーン事件だとわかりますね。憲法でも出てくる重要判例です。マクリーン事件というのがわかれば、すぐ最後の部分をみると、法務大臣の判断は裁量権の範囲を超える違法なものとしていますが、判例は適法という結論を出しているので、この選択肢は×ですね。ここで正解肢がわかりますが、2以降も、冒頭と最後を見て、おかしくないか判断します。冒頭と最後だけで判断できるほど簡単な肢ならすぐに切れるわけですが、それでもわからない場合は全部の文章に目を通すことになります。
2はすぐ、剣道受講拒否事件(神戸高専事件)とわかり、考慮すべき事項を考慮しておらず、の部分から最後までをみて、これは判例通りとわかります。しかし、3~5は文章が繋がっているので、全部読む必要がありますね。まあ全部読むにしても、単語や語句レベルの間違いではなく、要旨が間違っているか、理由付けの部分がおかしいか判断し、これらの肢は判例通りなので正しいと判断できます。

どうでしたか。出題形式別に簡単な解き方を紹介しました。
お分かりになったら参考にしてください。



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