独学で行政書士 憲法のツボ6(職業選択の自由)

こんにちは。
今日は、憲法の中でも特にレベルが高く、少し難解なテーマ、経済的自由の中の
職業選択の自由についてです。
このテーマは、違憲審査基準と判例が大事ですね。

 

職業選択の自由

第二十二条  何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

職業選択の自由とは、自分が就きたい職業を自由に決定できる自由のことです。
また、選択した職業を遂行できないと意味がないので、明文規定はありませんが、
職業選択の自由の中には営業の自由が含まれると解されています。

そして、職業選択の自由も公共の福祉による制限を受けます。

 

職業選択に対する規制は、消極的・警察的規制と、積極的・政策的規制があります。
判例は、どちらも許されるとしています。

消極的・警察的規制とは、国民の生命・健康に対する危険を防止・除去するための規制
積極的・政策的規制とは、社会的・経済的弱者を保護するための規制です。

 

違憲審査基準

違憲審査基準は、どのような場合に違憲とすべきかを審査する基準で、
職業選択の自由への規制の場合、規制の種類によって、基準が異なります。

消極的・警察的規制には、厳格な合理性の基準
積極的・政策的規制には、明白性の原則が使われます。

厳格な合理性の基準は、同じ目的を達成できる、より緩やかな規制手段がある場合に違憲
明白性の原則は、規制手段が著しく不合理であることが明白な場合に違憲、となります。

例えば、Xという規制目的があり、その規制目的を達成できる手段にA、B、Cがあったとします。規制の強さがA>B>Cであるとすると、Cが一番緩やかな規制なので、ここでAかBを採用してしまうと、より緩やかな規制手段であるCがあるため、厳格な合理性の基準からはアウト(違憲)となるわけです。

対して、明白性の原則は、規制手段が著しく不合理でない限りは大目に見るというもので、ちょっと不合理な要素があっても許される場合があります。明白性の原則の基準の方が、緩やかな基準ですが、それは、積極的・政策的規制は行政府・立法府の裁量による部分が大きいため、あまり裁判所が介入すべきではないという理由からです。

上の基準の方が厳しく、下の基準の方が甘いということなので、
厳格な合理性の基準では、違憲になりやすく、明白性の原則では、合憲になりやすいです。

 

判例を学ぶ

ここからは、超重要な判例が沢山でてきます。

 

小売市場事件(最大判昭47・11・22)。

事案:小売商業調整特別措置法が、小売市場の開設を許可する条件として、適正配置
(既存の市場から一定の距離離れていることを要求する制限)の規制を課しており、
憲法に反しないか。

判旨:小売市場の許可規制は、「国が社会経済の調和的発展を企図するという観点から中小企業保護政策の一方策としてとつた措置ということができ、その目的において、一応の合理性を認めることができないわけではなく、また、その規制の手段・態様においても、それが著しく不合理であることが明白であるとは認められない

結論:小売市場の許可規制は、積極的規制であり、明白性の原則から、合憲。

 

 

②薬局距離規制事件(最大判昭50・4・30)

事案:薬事法及び広島県条例が、薬局の開設許可の条件として距離規制を課していることは
憲法に反しないか。

判旨:不良医薬品の供給(不良調剤を含む。以下同じ。)から国民の健康と安全とをまもるために、……許可制を採用したことは、それ自体としては公共の福祉に適合する目的のための必要かつ合理的措置として肯認することができる」。「消極的、警察的措置である場合には、許可制に比べて職業の自由に対するよりゆるやかな制限である職業活動の内容及び態様に対する規制によつては右の目的を十分に達成することができないと認められることを要する」。本件距離制限は、「薬局等の設置場所の地域的制限の必要性と合理性を裏づける理由として被上告人の指摘する薬局等の偏在―競争激化―一部薬局等の経営の不安定―不良医薬品の供給の危険又は医薬品乱用の助長の弊害という事由は、いずれもいまだそれによつて右の必要性と合理性を肯定するに足りず」、「この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲を超えるものであるといわなければならない

結論:薬局距離規制は、不良医薬品の供給から国民の健康と安全とをまもるための規制、つまり、
消極的・警察的規制なので、厳格な合理性の基準から、違憲。

重要部分を抜粋したので、みにくいかもしれませんが、覚えるべきはここらへんです。

 

 

公衆浴場距離制限事件(最判平元1・20)

事案:公衆浴場開設許可の距離制限規定は憲法に反するか。

判旨:公衆浴場業者が経営の困難から廃業や転業をすることを防止し、健全で安定した経営を行えるように種々の立法上の手段をとり、国民の保健福祉を維持することは、まさに公共の福祉に適合するところであり、右の適正配置規制及び距離制限も、その手段として十分の必要性と合理性を有していると認められる。

結論:公衆浴場開設許可の距離制限は、積極的・政策的規制で、明白性の原則から合憲。

 

 

酒類販売免許制事件(最判平4・12・15)

事案:酒類販売業の免許制は憲法に反しないか。

判旨:「租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという国家の財政目的のための職業の許可制による規制については、その必要性と合理性についての立法府の判断が、右の政策的、技術的な裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理なものでない限り、これを憲法二二条一項の規定に違反するものということはでき」ない。本件免許制度は「立法府の裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理であるということはできず、右規定が憲法二二条一項に違反するものということはできない。

結論:酒類販売業の免許制は、財政目的規制で、明白性の原則から合憲

疲れましたね。お酒でも飲んで休憩しましょうか。
まあ、これはお酒にみせかけて、ただのアイスティーなんですがw

 

それぞれの事案、規制の種類、審査基準、結論をセットで覚えることが大事ですね。

今日はここまでにしたいと思います。

閲覧ありがとうございました。



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