独学で行政書士 民法のツボ13(抵当権Ⅲ:抵当権侵害、抵当権の消滅)

こんにちは。

最近は、LINEなどのSNSでやり取りをすることが多く、メールボックスの確認がおそろかに
なりがちなやまとじです。
久しぶりに確認したら新着メールが何件もあり、返信が遅れてしまうこともしばしば(;´∀`)
大変申し訳ないですね・・・。
まだまだマネジメント能力が低い僕ですが、ブログの更新頑張っていきますm(_ _)m

さて今日は、久しぶりに民法のツボ、抵当権侵害についてです。

そこまで難しくはないのですが、普通のテキストではあまりしっかり説明されていない部分が
あると思いますので、この記事で丁寧に整理していきたいと思います。

 

抵当権侵害

まず、抵当権は最終的にどうなるのかというと、抵当権が設定された後、結局被担保債権が弁済されない場合に、抵当不動産を競売にかけて、その代金を被担保債権の弁済に充てることになります。こうして被担保債権が回収されます。

しかし、場合によってはその抵当不動産を第三者が不法占有していることもあり、競売にかけても買い手が現れない可能性があります。そうすると、被担保債権を回収することができないことになってしまうわけです。

 

第三者が不法占有する場合

そこで判例(最大判平11・11・24)は、「第三者が抵当不動産を不法占有することにより、競売手続の進行が害され適正な価額よりも売却価額が下落するおそれがあるなど、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるとき」は、抵当権者は「所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使することができる」としています。

抵当不動産の所有者(抵当権設定者、債務者など)は、抵当権に対する侵害が生じないよう抵当不動産を適切に維持管理することが予定されていることから、その所有者は不法占有者に対して妨害排除請求権を持っています。
判例は、抵当権者(債権者)がその権利を代わりに行使できるとしているわけです。

 

また、「第三者が抵当不動産を不法占有することにより抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権に基づく妨害排除請求として、抵当権者が右状態の排除を求めることも許される」とも判示しており、単純に抵当権者が抵当権に基づいて、不法占有者に妨害排除を求めることもできるとされています。

 

結局、抵当権者は、代位行使にせよ、単純に抵当権に基づいてにせよ、不法占有者を排除できるわけですね。その手段が2通りあるというだけの話です。

 

占有権原の設定を受けた第三者が占有する場合

では、不法占有ではなく、占有権原の設定を受けて、つまり適法に占有している第三者がいる場合はどうなのかということになります。これは、第三者が抵当不動産を賃借している場合などですね。

 

この点、判例(最判平17・3・10)は、「抵当権設定登記後に抵当不動産の所有者から占有権原の設定を受けてこれを占有する者についても、その占有権原の設定に抵当権の実行としての競売手続を妨害する目的が認められ、その占有により抵当不動産の交換価値の実現が妨げられて抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、当該占有者に対し、抵当権に基づく妨害排除請求として、上記状態の排除を求めることができる

①占有権原の設定に抵当権の実行としての競売手続を妨害する目的が認められること

②その占有により抵当不動産の交換価値の実現が妨げられて抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があること、

の2つを満たせば、OKということですね。

 

抵当権侵害の上記判例の文言は記述式で狙われるかもしれません。各出版社の予想模試では毎年出題があると思いますが、本当に毎年ヤマと言われるほど、年々出題確率が上昇していると思います。

 

損害賠償請求

あと、抵当権が侵害され、抵当不動産の交換価値が下がってしまい、結局被担保債権の弁済を受けることができなくなった状況では、抵当権者は、侵害者に対して損害賠償請求をすることも当然できます(709条)。

 

抵当権の消滅

この事例のように、抵当権が設定されている不動産の所有権を取得した人を第三取得者といいます。3番目に取得したから第三取得者ではなく、所有権を取得した第三者ということで第三取得者ですね。

所有権を手に入れた不動産に抵当権がついていると、その抵当権が実行された場合、競売にかけられてしまうことになります。せっかく所有権を取得したのに、手放さなければならないことになってしまうので、第三取得者側からすると、早く抵当権を消滅させたいはずです。

 

代価弁済と抵当権消滅請求

そこで、民法は、代価弁済抵当権消滅請求という制度を規定しています。

(代価弁済)

第三百七十八条 抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

(抵当権消滅請求)
第三百七十九条 抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。

 

ここで、注意するのは、代価弁済は、抵当権者第三取得者に対して請求するもの、
抵当権消滅請求は、第三取得者抵当権者に対して請求するものです。

事例学習においては、このように、誰から誰に何を請求できるのか、できないのかをしっかり整理することが重要かなと思います。指図による占有移転とかも混同しがちですよね。

 

第三百八十二条 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。

抵当権が実行された後に請求するのは流石に許されないので、こういうことになります。

 

抵当権の消滅時効と取得時効

その他、抵当権の消滅に関する条文としては、マイナーですが、

(抵当権の消滅時効)

第三百九十六条 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。

債務者及び抵当権設定者に対しては、抵当権だけが独立して消滅することはないんですね。
それを認めると、抵当権を設定した意味がなくなりますから。

 

(抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅)

第三百九十七条 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。

債務者又は抵当権設定者でない者、要するに、抵当権設定に関わっていない第三者が占有を始めて、取得時効が認められると、抵当権は消滅することになります。第三者からすると、抵当権があるために時効取得できないとなるのは迷惑でしかないですからね。
逆にいうと、債務者及び抵当権設定者には、時効で抵当権が消滅することを認めないということで、それと区別するための規定と考えればいいです。考え方は396条と同じです。

以上が、今日のテーマでした。
ちょっとマイナーな部分にも触れましたが、参考にしてください。



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