独学で行政書士 民法のツボ2(意思表示Ⅰ:意思の不存在)

こんにちは。

最近知ったのですが、日本人が文章を読む速さの平均は、1分400〜600字だそうですね。
このブログでは、普段の記事は、少なくて1500字くらい、多くて4000字くらいで、いつも記事を
書くときは2000字くらいを目安にしています。長々と書くと、書くのもしんどくなりますし、読むのも
めんどくさくなりますから、この字数を目安に書いているのです。
2000字なら約4分で読めるわけですが、現代人にとって4分の価値ってどれくらいなんでしょうね。
子供の頃と違い、大人になってからは、お金より時間の方が重要であると感じることが多いです。

 

さて今日は、本来ならば抵当権の続きをする予定でしたが、この間の試験問題に錯誤の問題があり、
そういえば錯誤あたりをまとめていないなということで、意思表示Ⅱの記事とします。

意思の不存在

意思の不存在とは、効果意思(法律効果を発生させようとする意思)と表示行為が一致していない
ことです。これには、心裡留保虚偽表示錯誤などがあります。

 

心裡留保

心裡留保の「心裡」は特殊な感じですね。ここでしか使わないのではないでしょうか。

(心留保)
第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

 

簡単にいうと、冗談で何か言った場合、原則有効で、相手が冗談だと知っていたり、冗談だと
知ることができたときは、例外的に有効ではないということですね。まあ冗談でなくとも、
その場を凌ぐために取り繕って言う場合なども含まれますね。
知ることができたときというのは、言い換えると、相手に過失があったときということですね。
冗談を言ったことについて、相手が悪意もしくは有過失なら、冗談は無効なわけです。

例えば、「この勝負に勝ったら、1万円あげるわ」と言って、相手が真に受けた場合は、
その発言が有効になってしまいます。

 

虚偽表示

虚偽表示は、相手方と通謀して、虚偽の意思表示をすることですね。

(虚偽表示)
第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

 

AとBがグルを組んで、CがBから土地を買った場合ですね。Cが善意、AB間のやり取りを知らない場合
は、もはや騙されたと同じような状況にあるCを保護しようということで、Cは保護され、
土地を取得する
ことができます。

 

ここで、第三者とはどこまでなのかということですが、判例(最判昭45・7・24)によれば、
「虚偽の意思表示の当事者またはその一般承継人以外の者であつて、その表示の目的につき法律上利害関係を有するに至つた者」とされています。
ここで、重要な判例を表にまとめると、

まあ、ちょっと細かい事項なので、こういうのは2周目や3周目で覚えていくのがいいですね。

 

また、先ほどの事例ではAB間に通謀がありましたが、例えば、Bが勝手にAの土地を自分と土地だとして、登記も済ませてしまった後に、BがCに土地を売却したとすると、94条2項は適用できないように思えます。しかし、それではCが土地を取得できないことになります。そこで、このような場合は、Aがその事情を知りながら、ほったらかしにしている場合に限っては、94条2項を適用してもいいのではないかということになります。
A自身はBと通謀しているわけではないものの、Bの行為に気づいている以上、それを是正する義務があると考えることができるからです。

そこで、判例(最判昭45・9・22)は「不実の所有権移転登記の経由が所有者の不知の間に他人の専断によつてされた場合でも、所有者が右不実の登記のされていることを知りながら、これを存続せしめることを明示または黙示に承認していたとき」は94条2項が類推適用されるとしています。

ちなみに、94条2項は、権利外観法理と呼ばれ、真の権利関係ではない外観を信頼した第三者は保護されるべきで、偽りの外観を作出した者は権利を失って当然とする考え方です。

 

錯誤

(錯誤)
第九十五条 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

 

錯誤とは、法律行為をした時点で、表意者の効果意思と表示行為が一致していないことに表意者自身が気づいていない場合です。簡単にいうと、勘違いですね。
要素の錯誤とは、①その部分について錯誤がなかったなら意思表示をしなかったであろうと考えられるもので、かつ、②意思表示をしないことが一般取引上の通念に照らしてもっともであると認められるものとされています(大判大7・10・3)。

 

特に、問題となるのが動機の錯誤です。これは、表示されたものに間違いがあるのではなく、意思表示に至るまでの間に錯誤が生じた場合です。典型的な例でよく説明されるのが、土地の価格が上昇すると思い込んで、土地を購入したけど、結局土地の価格は上がらなかったというケースですね。
動機の錯誤の場合、無効を主張することはできないのが原則ですが、その動機が明示的または黙示的に表示され、意思表示の内容になった場合は、要素の錯誤になりうるとされています(大判大3・12・15)。

 

この錯誤の規定は、勘違いをした表意者を保護する意味があるわけですが、95条但書のように、表意者に重大な過失があったときは保護されません。不注意な表意者までも保護する必要はないということです。
この場合、意思表示の相手方からすれば、意思表示の内容通りの法律効果を期待しているため、表意者に重過失があったほうがいいわけですよね。一方、表意者は自分に重大な過失があると認めてしまうと無効を主張できなくなります。そのため、当然ですが、表意者の重過失は、相手方が主張・立証することになります(最判昭40・6・4)。

 

また、95条は表意者保護が目的なので、表意者自身に無効を主張する意思がない場合は、第三者が意思表示の無効を主張することは許されません(最判昭40・9・10)。筋違いの主張になりますから。
ただ、第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の瑕疵を認めているときは、表意者が無効を主張する意思がなくても、第三者は無効を主張できます(最判昭45・3・26)。

このように、原則に加えて例外がある場合(第三者が無効を主張できる場合)は狙われやすいです。
例外の事項は、条文にしろ判例にしろ、文言を丁寧に覚えておきたいですね。

法律の勉強は勘違いで覚えてしまうこともよくあるので、錯誤には十分気をつけてください。

それでは。



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