独学で行政書士 憲法のツボ13(裁判所Ⅲ:違憲審査権)

こんにちは。

一気に気温が下がってきて寒いですね。インフルにも注意です。

さて今日は、前回の続き、裁判所をまとめます。

 

違憲審査権

第81条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

法令や処分が憲法に違反していないかを審査する権限が違憲審査権ですが、これは、最高裁だけではなく、下級裁判所にも認められています(最大判昭25・2・1)。

 

審査の方法は2種類あります。

付随的違憲審査制:通常の裁判所が、具体的な争訟を裁判する際に、その争訟の問題となっている
事柄だけを審査する。

抽象的違憲審査制:特別に設けられた憲法裁判所が、具体的な争訟とは離れた事柄を審査する

日本は付随的審査制を採用しています。

警察予備隊違憲訴訟:「わが現行の制度の下においては、特定の者の具体的な法律関係につき紛争の存する場合においてのみ裁判所にその判断を求めることができるのであり、裁判所がかような具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲牲を判断する権限を有するとの見解には、憲法上及び法令上何等の根拠も存しない。」(最大判昭27・10・8)

 

違憲審査の対象についてですが、条約は原則対象でないとされています。

砂川事件:「安全保障条約は、前述の如く、主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係をもつ高度の政治性を有するものというべきであつて、その内容が違憲なりや否やの法的判断は、その条約を締結した内閣およびこれを承認した国会の高度の政治的ないし自由裁量的判断と表裏をなす点がすくなくない。それ故、右違憲なりや否やの法的判断は、純司法的機能をその使命とする司法裁判所の審査には原則としてなじまない性質のものであり、従つて一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のもの」である。(最大判昭34・12・16)

ただ、一見極めて明白に違憲無効である場合は審査の対象となるので、完全に司法審査の対象から外しているわけではないですね。

 

それから、法律を制定すべきであるのに、相当な期間立法がなされないことを立法不作為と言いますが、ここでも判例が2つあります。

①在宅投票制度廃止事件(最判昭60・11・21)

事案:障害者の在宅投票制度を廃止した後、そのままその制度の復活をさせなかった立法不作為を理由に国家賠償請求がされた。

判旨:「国会議員は、立法に関しては、原則として、国民全体に対する関係で政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではないというべきであつて、国会議員の立法行為は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというごとき、容易に想定し難いような例外的な場合でない限り、国家賠償法一条一項の規定の適用上、違法の評価を受けないものといわなければならない。

結論:請求は認められない。

国賠法上全く違法となるわけではないところがツボです。

 

②在外日本国民の選挙権(最大判平17・9・14)

事案:1998年の公職選挙法改正により、在外選挙人名簿に登録された者は、選挙権の行使が認められることになったが、当分の間は、衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙は選挙権行使の対象とされなかった。そこで、1996年に行われた衆議院議員選挙において、投票できなかったことにつき、立法不作為を理由に国家賠償請求がなされた。

判旨:「選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難であると認められる場合でない限り、上記のやむを得ない事由があるとはいえず、このような事由なしに国民の選挙権の行使を制限することは、憲法15条1項及び3項、43条1項並びに44条ただし書に違反するといわざるを得ない。」
立法の内容又は立法不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには、例外的に、国会議員の立法行為又は立法不作為は、国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものというべきである。

結論:請求は認められる。

これも国賠法上違法になる余地があるわけです。

 

それから、もちろん裁判自体も違憲審査の対象になります(最大判昭23・7・8)。

 

裁判の公開

第82条 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

上の条文ですが、1項が原則、2項が例外、2項但書が例外の例外となっており、ややこしいですね。
まあ、例外の例外は1周回って原則と同じです。
注意すべきは、判決については例外なく絶対公開ということですね。

 

対審(当事者が主張を述べ合うこと)と判決は公開されるのが原則です。

ここで、公開が要求される裁判というのは、性質上純然たる訴訟事件、つまり「当事者の意思いかんに拘わらず終局的に、事実を確定し当事者の主張する権利義務の存否を確定するような裁判」とされています(最大決昭35・7・6)。

これに当たらない裁判とされたものとして、
家事審判法による夫婦同居の審判(最大決昭40・6・30)
民事上の秩序罰としての過料を科す作用(最大決昭41・12・27)
裁判官(寺西裁判官)分限事件(最大決平10・12・1)

がありますね。

以上が、裁判所Ⅲでした。「憲法」のツボについてはこの記事で終了です。

今後は、まだ触れていない部分の簡単なまとめを書いていこうかなと思います。

それでは。



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独学で行政書士 憲法のツボ13(裁判所Ⅲ:違憲審査権)” に対して 2 件のコメントがあります

  1. apple tea より:

    このホームページを見て、独学でがんばってみようとと思い、合格革命を買いました。
    1日しない日があったり、難しすぎて、30分で勉強したくなくなったりします。
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    ホームページの更新、たのしみにしてます!

    1. やまとじ やまとじ より:

      コメントありがとうございます。管理人のやまとじです。

      やっぱり法律は難しいですよね。僕も勉強したての頃は、理解できない部分にイライラしていました(;´Д`)
      そもそも1回では理解できないのが法律なので、ゆっくりじっくり進めていきたいですね。

      良い結果を出されるよう、こちらも全力でサポートしていきますので、今後もよろしくお願いします。
      過去の記事に加え、これからもテキストの使い方や勉強のコツなどをより詳しく紹介していきたいと思っていますので、参考にしてくださいm(_ _)m

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