独学で行政書士 憲法のツボ11(裁判所Ⅰ:司法権の限界)

こんにちは。

今年の試験も終わり、教材を一気に捨てる人もいれば、来年に向けての準備を始める人もいるかと
思いますが、今後もこのブログでは適当に記事をまとめていこうと思います。

さて、今日は、裁判所についてです。

 

司法権

裁判所は司法権を担当する機関で、その司法権とは、具体的な争訟につき、法を適用して解決
する権限です。

そして、ここでいう争訟とは「法律上の争訟」であり、判例(最判昭41・2・4)
によれば、「法令を適用することによつて解決し得べき権利義務に関する当事者間の紛争」と
されています。この判例で問題となったのは国家試験における合格、不合格の判定であり、それは
司法審査の対象とならないとされています。

 

「板まんだら」事件:「本件訴訟は、具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争の形式をとつており、その結果信仰の対象の価値又は宗教上の教義に関する判断は請求の当否を決するについての前提問題であるにとどまるものとされてはいるが、本件訴訟の帰すうを左右する必要不可欠のものと認められ、また、記録にあらわれた本件訴訟の経過に徴すると、本件訴訟の争点及び当事者の主張立証も右の判断に関するものがその核心となつていると認められることからすれば、結局本件訴訟は、その実質において法令の適用による終局的な解決の不可能なものであつて、裁判所法三条にいう法律上の争訟にあたらない」(最判昭56・4・7)

超有名判例です。簡単にいうと、訴訟の本質となっている部分が宗教的な内容を含んでいる場合、
裁判所は審査できず、訴えは却下する、ということです。

これは判例の文言を覚えていたほうがいいですね。

 

司法権の限界

法律上の争訟であっても、中には裁判所が審査できないものもあり、例えば、各議院が行う
議員の資格争訟の裁判や、国会が設置する弾劾裁判所が行う裁判官の弾劾裁判など、憲法によって
裁判所以外の機関が司法権を行使することが例外的に認められている場合ですね。

ここでは、判例が多くでてきます。

 

警察法改正無効事件:「裁判所は両院の自主性を尊重すべく同法制定の議事手続に関する所論のような事実を審理してその有効無効を判断すべきでない」(最大判昭37・3・7)

両院とは衆参両議院のことで、同法とは警察法です。簡単に言えば、法律の制定手続きには司法審査が及ばないということです。

 

苫米地事件:「直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為のごときはたとえそれが法律上の争訟となり、これに対する有効無効の判断が法律上可能である場合であつても、かかる国家行為は裁判所の審査権の外にあ」る。「衆議院の解散は、極めて政治性の高い国家統治の基本に関する行為であつて、かくのごとき行為について、その法律上の有効無効を審査することは司法裁判所の権限の外にあ」る(最大判昭35・6・8)

 

部分社会の法理

他に、自主的な団体の内部紛争については、その内部規律の問題にとどまる限りその自治的措置に
委ねるべきであり、裁判所は介入できないと考えられている場合があります。
これを部分社会の法理といいます。

地方議会の議員に対する出席停止の懲罰議決の効力が争われた事案(最大判昭35・10・19)では、
自律的な法規範をもつ社会ないしは団体に在つては、当該規範の実現を内部規律の問題として自治的措置に任せ、必ずしも、裁判にまつを適当としないものがある」とされ、地方議会の議員の出席停止の懲罰がまさしくそれに該当するとされています。
ただ、地方議会の議員の除名処分は司法審査の対象になり、理由は、「議員の除名処分の如きは、議員の身分の喪失に関する重大事項で、単なる内部規律の問題に止らないからであつて、本件における議員の出席停止の如く議員の権利行使の一時的制限に過ぎないものとは自ら趣を異にしている」からとされています。

 

次に、国立富山大学の単位不認定処分の効力が争われた事案(最判昭52・3・15)では、
大学は、「一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成しているのであるから、このような特殊な部分社会である大学における法律上の係争のすべてが当然に裁判所の司法審査の対象になるものではなく、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題は右司法審査の対象から除かれるべき」とされています。

そして、「単位授与(認定)行為は、他にそれが一般市民法秩序と直接の関係を有するものであることを肯認するに足りる特段の事情のない限り、純然たる大学内部の問題として大学の自主的、自律的な判断に委ねられるべきものであつて、裁判所の司法審査の対象にはならない」とされています。

まあ、単位認定は完全に教授の裁量になっていますが、めちゃくちゃ楽に単位くれる教授もいれば、
かなり厳しい教授もいますよね。この訴訟では、単位認定の基準が厳しかったのでしょうか。

 

最後に、政党が党員に対してなした除名処分の効力が争われた事案(最判昭63・12・20)では、
政党が党員に対してした処分が一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審判権は及ばない」、「処分が一般市民としての権利利益を侵害する場合であつても、右処分の当否は、当該政党の自律的に定めた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情のない限り右規範に照らし、右規範を有しないときは条理に基づき、適正な手続に則つてされたか否かによつて決すべきであり、その審理も右の点に限られる」とされています。

司法権の限界については、判例を整理することが重要なところですね。
問題では、判例の文言がそのまま出題されることが多いです。

それでは、今日はこのへんで。



↓ブログランキングに参加しています。クリックで応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 資格ブログへ
にほんブログ村

資格受験ランキング
↓また、意見や要望、記事にして欲しいことなどがありましたら、是非コメントしてください。

意見や要望、何でもコメントしてください。名前とコメント内容のみ公開されます。