独学で行政書士 行政法のツボ10(行政不服審査Ⅰ:総則、要件)

こんにちは。

近くの田んぼでは稲刈りも終え、収穫の秋、紅葉の秋という感じですね。

今日は、行政不服審査法に入っていきたいと思います。

行政不服審査

行政不服審査法の目的は、

第一条 この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
2 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。

 

です。違法な公権力の行使のみならず、不当な公権力の行使についても対象となる点が重要で、
裁判所が審査する場合の行政事件訴訟法では、違法な公権力の行使によって国民の権利が侵害された
場合に、その違法な行政作用を是正することが目的なので、違いを押さえたいですね。

 

不服申立ての類型

不服申立ての類型は審査請求という形になっており、審査請求には、
処分についての審査請求不作為についての審査請求があります。

 

①処分についての審査請求
処分についての審査請求は、原則全ての処分についてすることができ、例外的に審査請求できない
ものだけを法律で列挙しています。これが一般概括主義です。
例外的にできない、すなわち適用除外とされるもので、過去問で出題されたものや、重要そうな
ものだけを紹介します(行政不服審査法7条1項)。

国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、収税官吏、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分
学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分
刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分
外国人の出入国又は帰化に関する処分
専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
行政不服審査法に基づく処分

慎重な手続が必要な処分や、専門的な判断・審査がされるような場合が適用除外と考えれば
覚えやすいかもしれません。

 

②不作為についての審査請求

第三条 法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁の不作為(法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、次条の定めるところにより、当該不作為についての審査請求をすることができる。

赤字の部分が重要ですね。誰でも審査請求できるわけではありません。また、前提として当然、
申請する側には申請権があり、行政庁には応答義務があることが必要です。

 

①と②の審査請求とは別に、再調査の請求再審査の請求というものもあります。
再調査の請求は、行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合
において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときにできます(5条1項本文)。
また、再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定を経た後でなければ、審査請求
をすることができません(5条2項本文)。

再審査の請求も、行政庁の処分につき法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には
再審査請求をすることができます(6条1項)。

つまり、両者とも法律で特別の規定があるときにだけできるわけです。

 

審査請求の要件

審査請求の要件は、

処分又は不作為が存在すること
②正当な当事者からなされること
③権限を有する行政庁に対してなすこと
④審査請求期間になすこと
⑤形式と手続を遵守すること
です。

 

重要なものだけをまとめると、
まず②の要件は不服申立適格といい、簡単にいうと申立てをする資格のことですね。

(総代)
第十一条 多数人が共同して審査請求をしようとするときは、三人を超えない総代を互選することができる。

(代理人による審査請求)
第十二条 審査請求は、代理人によってすることができる。
2 前項の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。

本人以外でも、総代や代理人が審査請求をすることも認められていますね。

 

④については、処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定があったことを知った日の翌日から起算して一月)を経過したときは、することができない(18条1項本文)とされています。
また、処分(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定)があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない(18条2項本文)とされています。

これは、処分があったことを知った場合には、18条1項と2項が適用され、知った日の翌日から3ヶ月以内か、遅い時期に知ったとしても処分の翌日から1年以内に審査請求しなくてはならず、処分があったことを知らなかった場合は、18条2項が適用され、処分の翌日から1年以内に審査請求しなければならないということです。まあ3ヶ月と1年という期間を覚えておくといいですね。ちなみに、正当な理由があれば期間が過ぎても許されることがある点(18条1項但書、18条2項但書)に注意です。

 

また、不作為についての審査請求に期間は設定されていないので、不作為が継続している限り
審査請求できます。

 

最後に⑤ですが、

(審査請求書の提出)
第十九条 審査請求は、他の法律(条例に基づく処分については、条例)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、政令で定めるところにより、審査請求書を提出してしなければならない。

(審査請求書の補正)
第二十三条 審査請求書が第十九条の規定に違反する場合には、審査庁は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。

審査請求は原則書面ですること、審査請求書に不備があるならば、審査庁は補正を命じる義務があることには注意です。

以上が行政不服審査法の総論と要件でした。ほとんど条文からの出題ということは得点源って
やつですね。それでは!



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