独学で行政書士 行政法のツボ2(行政行為の効力・瑕疵)

みなさん、こんにちは。

前回は、行政行為の類型についてでしたが、今日は行政行為の効力についてです。
行政行為の類型と効力は頻出分野で、ほぼ毎年出題されていますので、得点源にしたいですね。

 

行政行為の効力

 

 

行政行為は法律で定められた特殊な行為ですから、私人間の行為と異なり、特別な効力が認められています。

この効力は以下の4つです。

公定力不可争力執行力不可変更力

 

まず、公定力とは、行政行為が違法なものであっても、それが取り消されるまでは有効なものとして扱われる効力です。

そして、不可争力は、一定期間を経過すると、私人の側から行政行為の効力を争うことができなくなる効力です。
これは、行政事件訴訟法にある出訴期間のことですね。また、私人の側から争えなくなるだけで、
行政庁側からは、行政行為の効力を取り消すことができないわけではないという部分に注意です。

次に、執行力は、行政庁が行政行為の内容を自力で実現することができる効力です。

最後に、不可変更力は、行政庁は一度行った行政行為を自ら変更することができない効力です。
これは、全ての行政行為に対してあるのではなく、審査請求に対する裁決などの争訟裁断的性質を有する行政行為についてのみ認められます。

 

行政行為の瑕疵

行政行為には、法律に違反している場合(違法)や、公益に反して不適切である場合(不当)があり、これらのことを行政行為の瑕疵といいます。

ここで、行政行為には公定力があるため、違法な行政行為であっても取り消されるまでは有効なわけです。ただ、瑕疵ある行政行為でも、重大かつ明白な瑕疵」である場合には、取り消されなくとも、その行政行為は始めから当然無効なものとされています(最大判昭31・7・18)。
軽微な瑕疵である場合は、取り消されるまでは有効ということです。まあ、いちいち軽い瑕疵がある度に行政行為の効力が無効になるのでは、行政活動が停滞してしまいそうですからね。軽い瑕疵は大目に見ようという感じです。

 

違法性の承継

次に、違法性の承継というものがあります。
これは、先になされた行政行為の瑕疵が後になされる別の行政行為に引き継がれることです。
違法性の承継は原則認められません。ただし、先行行為と後行行為が連続した一連の手続を構成しているような場合には、例外的に瑕疵の承継が認められます。先行行為と後行行為が一連した手続というのは、例えば農地買収計画と農地買収処分のような場合ですね。

 

瑕疵の治癒、違法行為の転換

関連して、瑕疵の治癒違法行為の転換というものがあります。

瑕疵の治癒とは、瑕疵ある行政行為がなされたものの、後でその瑕疵がなくなったような場合のことです。
違法行為の転換とは、瑕疵ある行政行為を、別の行政行為と見直すことで、適法な行政行為と扱う場合のことです。

両者の区別はしておきたいですね。

 

取消しと撤回

取消しとは、瑕疵ある行政行為の効力を、その行為がなされた時点にさかのぼって失わせることです。

撤回とは、適法に成立した行政行為につき、後から事情の変化により、その行為を維持することが適当でなくなった場合に、その時点から将来に向かって効力を失わせることです。

 

両者の違いは、始めから瑕疵があったかなかったかですね。
そして、両者とも法律の根拠なくしてすることができます。

ただ、授益的行政行為の取消しや撤回は、取消しや撤回により相手方が被る不利益を上回るだけの必要性がなければなりません。
また、撤回の場合は、相手方に損害が生じた場合、損失補償の余地がありますね。

 

その他の違いとして、取消しは、処分庁とその上級行政庁もすることができ、
撤回に関しては、処分庁のみができるとするのが通説です。

取消しと撤回の違いってよく狙われますからね。
比較しながら学習したいです。

 

行政行為の附款

本来は別のテーマですが、せっかくなのでここで紹介しておきます。
行政行為の附款とは、行政行為の効果を制限するため、行政行為の主たる内容に付された従たる意思表示のことです。

行政行為の附款には、条件期限負担撤回権の留保法律効果の一部除外があります。

 

行政行為の附款は、許可・認可などの法律行為的行政行為にのみ付すことができます。

また、附款は、法律が附款を付すことができる旨を明示している場合のみならず、
行政行為の内容の決定について行政庁に裁量権が認められている場合にも付すことが可能ですね。

 

関連して、附款の瑕疵について、附款と行政行為を切り離すことができ、可分である場合、取消訴訟を提起し、附款のみの取消しを求めることができます。
対して、附款と行政行為が切り離せず、密接不可分となっている場合、取消訴訟で、附款のみの取消しはできず、本体である行政行為の取消訴訟を提起する必要があります。

このあたりはかなり重要な部分ですね。

以上が、毎年の得点源、行政行為の効力でした。

それでは、今日はこのへんで。



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