独学で行政書士 民法のツボ8(動産物権変動)

こんにちは。

そういえば、10月というのは1年の中である節目の月ですよね。1年というか年度の中のひとつの区切りであるような気がします。4月から新年度が始まるわけですが、10月には例えば、テレビ番組の改編期ということでプログラムが大きく変動しますね。また、就職においても4月採用と10月採用というものもありますし、僕の出身高校は2学期制で、10月のある日からいきなり前期→後期と変わったことを覚えていますw

まあ、1月~12月の暦は世界共通だと思いますが、年度については国によって異なるようですね。
アメリカは今の時期くらいに新学期になるんでしたっけ?

さて、今日は動産物権変動についてです。

 

動産物権変動

不動産物権変動の場合、対抗要件は登記でしたが、動産物権変動の場合の対抗要件となるのは
引渡しです。

この引渡しには4種類あります。

1、現実の引渡し

2、簡易の引渡し

3、占有改定

4、指図による占有移転

です。

 

まず、1の現実の引渡しは一番シンプルな引渡し方法で、文字通り現実に引き渡される場合です。売買契約で、売主が買主に自己の所有する目的物を譲渡する場合などですね。

次に2ですが、これは、譲受人がすでに目的物を所持している場合に、占有移転の合意によってなされる引渡しです。例えば、借主が目的物を貸主から譲渡され、引き続き借主が目的物の占有を継続するという合意をする場合です。

そして3ですが、ここらへんからややこしくなりますね。占有改定は、譲渡人が目的物の所持を継続する場合に、譲受人が譲渡人を介して代理占有する旨の合意によって占有権を移転する方法です。売主が買主に自己所有の目的物を譲渡して、すぐにこれを借りて引き続き売主が目的物の占有を継続する場合です。

最後に4です。指図による占有移転は、間接占有者が第三者との合意及び直接占有者への指図によって、直接占有者に所持させたまま第三者に占有権を移転する方法です。具体的には売主Aが買主Bに、第三者Cに預けていた目的物を譲渡し、以後その物を買主Bのために占有するように直接占有者であるCに命じ、買主Bがこれを承諾する場合です。これは文章ではわかりにくいので図にすると、

注意すべきは、売主Aが第三者(直接占有者)Cに命令して、買主Bがそれを承諾するということです。第三者の承諾は不要です。ここはよく狙われますね。

 

即時取得

動産物権変動にはもう一つ、権利の移転が行われる場合があり、即時取得と呼ばれています。

この場合、Bは真の所有者ではないので、Cは所有権を取得できなくなりそうですが、それでは安全な取引が期待できないので、一定の要件を満たした場合に、Cは所有権を取得することができるとされています。その要件は民法192条に規定されています。

要件

第百九十二条  取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

まとめると、取引行為、②平穏かつ公然、③動産の占有を開始、④取引の相手方が無権利者であることにつき善意無過失です。
ここは記述式の問題で出題されそうですよね。

 

まず、①の取引行為について、
強制競売、質権設定、代物弁済は取引行為です。
対して、山林の伐採、遺失物の拾得、相続は取引行為ではないです。
まあ、これはなんとなくわかりますね。
ここで注意すべきは、取引行為において、相手方が無権利者である場合には、その瑕疵が治癒されると考えますが、例えば、無権代理や制限行為能力、錯誤などの場合は無権利者ではなく、別問題であり、それらの瑕疵は治癒されないため、有効な取引とは言えません。

 

②の平穏かつ公然は時効のものと同じですね。法律上推定されます。

 

③の動産の占有開始ですが、引渡しには4種類ありました。このうち、占有改定では足りない(最判昭35・2・11)とされています。ここは要注意です。
指図による占有移転とかは可能ということですね。
また、道路運送車両法による登録を受けていない自動車については即時取得の対象となり(最判昭45・12・4)、登録を受けている自動車は対象になりません(最判昭62・4・24)。
というのも、この道路運送車両法による登録は、自動車の盗難防止の意味で実施されているからです。

 

④の善意無過失も、法律上推定されます(最判昭41・6・9)。

 

特則

最後に、即時取得には特則があります。

(盗品又は遺失物の回復)
第百九十三条  前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。

第百九十四条  占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。

 

これらもかなり重要です。
2つ目の条文は、要するに、市場に出回っているものを買った場合は、買った人からすれば盗品とか遺失物だとは思わず、売り手が適法に所有する物あると思い込むため、その期待は保護してあげようということです。この場合、被害者や遺失者の損害も考えなければならないのはたしかなんですが、市場で買った人の期待も考慮して、被害者や遺失者はせめて代価は弁償しようというわけです。

動産物権変動は以上です。

不動産物権変動に比べると、少し重要度は下がりますが、よく出題されるテーマなのでしっかりやっておきたいですね。

それでは、今日はここで終えたいと思います。ありがとうございました。



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