独学で行政書士 判例学習についての教示

みなさん、こんにちは。

今日は、判例学習について書いていきたいと思います。

普段、法律の勉強をしているとき、条文の暗記に集中しがちで、判例をおろそかにしてしまう
こともあると思いますが、今日は判例の重要性を伝えたいと思います。

判例の重要性

近年の行政書士試験では、1つの判例について詳しく問うてくる問題が多いため、
「判旨の流し読み+結論だけ暗記スタイル」は通用しないですね。

判例学習は特に、憲法と行政法で重要です。民法については条文の暗記の方が大事な気がします。
まあ、民法でも判例学習は必須なのですが、なんというか、判例を深く学習しなければ、
なかなか得点できないのが憲法と行政法です。

去年の問題では、ある判例(住基ネット訴訟)が取り上げられ、5つの肢の文章のうち、
判旨に含まれていないものを選べとかいう問題が出ました。まあ難問の部類だと思いますが、
これは有名な判例なので、どこまでしっかり判例を読んでいるかで決まる問題でした。
このように、最近では、判例を深く知らなければ解けない問題が増えてきている印象です。

そのため、結論だけ覚えたら得点できるという時代は終わりました。まあ、そんな時代があったのか
あんまり知りませんがw

 

実際の問題

具体的に、どう出題されるのか過去問をみてみましょう。

平成28年度試験の問題です。
※行政書士試験研究センターから、行政書士試験問題掲載許諾を得ています。

 

問題 6  信教の自由・政教分離に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、最
も妥当なものはどれか。

1  憲法が国およびその機関に対し禁ずる宗教的活動とは、その目的・効果が宗教に
対する援助、助長、圧迫、干渉に当たるような行為、あるいは宗教と過度のかかわ
り合いをもつ行為のいずれかをいう。
2  憲法は、宗教と何らかのかかわり合いのある行為を行っている組織ないし団体で
あれば、これに対する公金の支出を禁じていると解されるが、宗教活動を本来の目
的としない組織はこれに該当しない。
3  神社が主催する行事に際し、県が公費から比較的低額の玉串料等を奉納すること
は、慣習化した社会的儀礼であると見ることができるので、当然に憲法に違反する
とはいえない。
4  信仰の自由の保障は私人間にも間接的に及ぶので、自己の信仰上の静謐を他者の
宗教上の行為によって害された場合、原則として、かかる宗教上の感情を被侵害利
益として損害賠償や差止めを請求するなど、法的救済を求めることができる。
5  解散命令などの宗教法人に関する法的規制が、信者の宗教上の行為を法的に制約
する効果を伴わないとしてもそこに何らかの支障を生じさせるならば、信教の自由
の重要性に配慮し、規制が憲法上許容されるか慎重に吟味しなければならない。

正解はです。この問題を見ての通り、判例の結論部分を問うている肢は、3と4だけなんです。しかも、その2つは不正解肢です。正解肢は5、これはオウム真理教解散命令事件の判旨の一部なんですが、難しいですよね・・・。これはちょっと細かいです。まあ、この問題からは、結論だけ暗記しても点数はあげへんぞという、問題作成側からのメッセージが読み取れますねw

 

もう1問見ておきましょう。行政法の問題です。選択肢だけさらっと見てください。

問題26 いわゆる朝日訴訟最高裁判所大法廷判決(最大判昭和 42 年 5 月 24 日民集 21 巻
5 号 1043 頁)の事案は、次のようなものであった。この判決の結論のうち、正し
いものはどれか。

原告Xは、以前からA県にある国立B療養所に単身の肺結核患者として入所し、厚
生大臣(当時)の設定した生活扶助基準で定められた最高金額である月 600 円の日用
品費の生活扶助と現物による全部給付の給食付医療扶助とを受けていた。ところが、
Xが実兄Cから扶養料として毎月 1,500 円の送金を受けるようになったために、所轄
のA県のD市社会福祉事務所長は、月額 600 円の生活扶助を打ち切り、Cからの上記
送金額から日用品費を控除した残額 900 円を医療費の一部としてXに負担させる旨の
保護変更決定(以下「本件保護変更決定」という。)をした。これに対してXは、A
県知事、ついで厚生大臣に対して不服の申立てを行ったが、いずれにおいても違法は
ないとして本件保護変更決定が是認されたので、上記 600 円の基準金額は生活保護法
の規定する健康で文化的な最低限度の生活水準を維持するにたりない違法なものであ
ると主張して、取消訴訟(以下「本件訴訟」という。)を提起した。しかしその後、
Xは本件訴訟係属中に死亡した。
(参照条文)
生活保護法第 59 条(当時)
被保護者は、保護を受ける権利を譲り渡すことができない。

1  保護受給権はX個人に与えられた一身専属の権利であり、他の者にこれを譲渡す
ることはできず、相続の対象にもなりえないが、裁判所は、本件保護変更決定の前
提となる生活扶助基準の適法性について判断する必要があるので、本件訴訟は、X
の死亡と同時にその相続人に承継される。
2  生活保護法の規定に基づきXが国から生活保護を受けるのは、これを保護受給権
と称されることがあるとしても、その法的性格は国の社会政策の実施に伴う反射的
利益というべきであり、Xの死亡後においてそれが相続の対象となることもないか
ら、本件訴訟は、Xの死亡と同時に終了する。
3  Xの生存中の扶助ですでに遅滞しているものの給付を求める権利は、医療扶助に
ついてはもちろん、金銭給付を内容とする生活扶助も、もっぱらXの最低限度の生
活の需要を満たすことを目的とするものであるから、相続の対象となりえず、本件
訴訟は、Xの死亡と同時に終了する。
4  本件保護変更決定によってXは医療費の一部自己負担をせざるをえなくなるが、
本件保護変更決定が違法であるとすれば、かかる負担についてXは国に対して不当
利得返還請求権を有することになるから、当該請求権は相続の対象となり、本件訴
訟は、Xの死亡と同時にその相続人に承継される。
5  生活保護法の規定に基づき被保護者が国から生活保護を受けるのは法的権利であ
り、同法が、被保護者は、保護を受ける権利を譲り渡すことができないと規定する
のは、被保護者の生存中についての定めであるから、Xの保護請求権は相続の対象
となり、本件訴訟は、Xの死亡と同時にその相続人に承継される。

正解肢はです。結論が正しいものを選べと言っておきながら、結論までの理由付けもちゃっかり問うている問題ですw
まあ、結論だけで二択には絞れますが・・・。これも、判旨まで覚えないと得点できない問題ですね。
そしてかなりの長文問題で疲れます。

 

判例学習のコツ

では、具体的に、どのように判例学習を進めていくべきかですが、普段から判例を学ぶ上で、
判例は、事案・判旨・結論の3つをしっかり整理して覚えていくことが重要です。
このブログでも、判例を紹介するときは、事案・判旨・結論に分けて載せていますが、
この3つの要素が合わさって判例です。

判例を覚えていく上で、よく結論が重要であると思いがちです。例えば、憲法で、この場合は
合憲、この場合は違憲、と暗記するのは必須なのですが、実際の問題で、結論のみを知っていて
正解にたどり着ける問題はあまりないです。
先程も述べました通り、1つの判例を題材に大問1題が出題されることもあるので、この場合、
結論だけで選択肢は絞れるかもしれませんが、結論までの理由付け、判旨まで覚えなければ正解
できないのです。このような問題では、事案と判旨の方が重要になるんですね。

 

市販のテキストでも、事案・判旨・結論とわけてしっかり載せられていますが、やはり全てに目を
通すべきです。特に、判旨の部分ですね。

このブログでは、度々、合格革命シリーズを推してきました。
このシリーズは判例集がなく、基本テキストに載っています。
しかし、近年の判例問題の難易度の上昇を考えると、合格革命のテキストだけでは、少し心許ない
部分があります。まあ、なんとか合格できるレベルではあるんですけどね。
そこで、余裕をもっておきたいという方は、TAC出版の判例集をお薦めします。
結構分厚く、全て読んでいると時間が足りなくなりそうですが、青字と青の下線、ポイントの部分
中心に読むのがいいです。これらの部分をマスターすれば、判例問題にはかなり強くなれます。

判例学習の重要性は伝わったでしょうか。

それでは、今日はこのへんで。



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